2016年4月6日水曜日

3月29日は特別な日だったか?

 2016年の国会前の3月29日は、特別の日だった。集団的自衛権の行使可能とする安全保障関連法制が29日の午前零時に施行された。その法制の施行に抗議するために人々が集まった。

 私はその人々の抗議の様子をIWJさんのライブ配信でみていた。安全保障関連法制が国会で審議されていた昨年の夏は、法制案に抗議する人々が繰り返し繰り返し国会周辺に足を運び抗議を続けた。当時、メディアの世論調査ではこの法制案に反対する人が多いという結果が出ていた。もちろん法制案に肯定的な意見を持つ人もいた。29日には、法制の施行に抗議する人々とは違う意見を持つ人も国会周辺に行き、抗議の様子をライブ配信しようとした。

 そんな彼らは法制に抗議する人々に取り合ってもらえず、そして、警備する警察との間で一悶着があった。彼らはそれに対する不満をもったようだ。彼らがそういった意見を持つのは分からないわけではないが、彼らが国会前に抗議に集まる人々と警察の間で長い事行なわれてきた交渉についてあまりにも無理解であった。そういった彼らであるために、国会前で彼らはあのような目にあったのではないだろうか。

 2011年3月11日の東日本大震災では、東京電力福島第一原子力発電所が事故をおこした。それ以来、国会周辺では、抗議をするために人々が集まる象徴的な意味がそれ以前より強くなったといえるだろう。そういった意味合いにも彼らは理解が足りなかったといえるだろう。


 国会周辺では、警察が警備のために鉄柵を配置していた。国会周辺で抗議をする人々は、鉄柵が倒れたりしたら、怪我するおそれがあるために、考慮してくれないかと警察との間で交渉をしてきた。去年の夏、その鉄柵が倒されるという象徴的な出来事もあった。

 彼らは抗議の主催者と警察の間のやり取りも知らなかったようだ。背景をあまりにも無理解に、鉄柵が倒された出来事があった日の国会前の周辺の様子をライブで伝えようとした。そういった事があったために、29日には、彼らはライブ配信をする時にあのような目にあったのではないか。とはいっても彼らにとっては、あれはあれで満足できているのかもしれない。ちなみに、彼らは法制に抗議するために集まった人々の話を聞いてみたいという目的もあったのかもしれない。それだけが目的であれば、違う機会にでも意見をきく事は出来るだろう。

 安全保障法制に対して、個人はそれぞれの意見は持っているだろう。賛否はわかれるため、国会周辺の出来事を見る目は、それぞれ個人が持つ意見を反映したものとなるだろう。しかし、ライブ配信ではカメラに写った事をすべてみせる事が出来るが、背景を知らなければ、うまく伝えられない事もあるのではないかと、IWJさんの中継と彼らの録画を見比べて強く感じた。国会周辺で行なわれる抗議活動の背景についてあまり知らない人が、付け加えた物語はそんな感じだろうか(僕が事情通というわけではないですが、)?




(インターネット上で環境さえ整えば、誰もが情報を発信できる時代で素晴らしい事です。個人の資格でライブ配信を楽しむ人に厳しい事をいう必要ない事も多いですが、この記事にした配信者は、ライブ配信を楽しむ人々の間では「大手」と形容される事もあるように配信をたくさんの人が視聴する事もあります。また、ライブ配信する経験も多く持っています。普段は、エンターティメント系の配信を中心にしているようですが、政治や社会に関連するニュースとして伝えられる出来事を伝える時に批判的という事はどういう事なのかについて考えが足りないのではないかと感じ、記事にしました。)


〈記事の元になったつぶやき(Twitter)〉
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〈参考〉
2016/03/29 安保法制の施行に反対する市民による国会前抗議行動(動画)(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/293843