2017年2月9日木曜日

「ファクト」に対する「オルタナティブ・ファクト」に関するメモ

 アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領の就任式に集まった人々の数をめぐって、ドナルド・トランプ大統領とメディアの間で、本当はどのくらいの人々が集まったのかが、双方が事実であると主張することに食い違う事態が生じた。
 ドナルド・トランプ大統領は、メディアと戦争をしているという発言をしたが、就任直後から、ドナルド・トランプ大統領とメディアは、衝突したかたちとなった。
 どちらかがいっていることが正しければ、それが事実であり、もう一方は、事実とかけ離れたことを事実といっていることになる。

 メディアのいうことに対して、ドナルド・トランプ大統領のいうことが、ファクトに対するもう一つの事実であると主張したことで、オルタナティブ・ファクトという「もう一つの事実がある」という主張が生まれて注目されることになった。

 ショーン・スパイサー大統領報道官は、ドナルド・トランプ大統領の就任式に集まった人数が史上最大だったと発言した。ケリーアン・コンウェイ大統領顧問は、アメリカのNBCの番組で、ショーン・スパイサー大統領報道官の発言について、それをオルタナティブ・ファクト(Alternative facts)といった。*ショーン・スペイサー大統領報道官は、それが、オルタナティブ・ファクト(Alternative facts)、つまり、もう一つの事実といったのだことになる*。バラク・オバマ大統領の就任時と比べて、ドナルド・トランプ大統領の就任式に集まった人が少なかったと主張するメディアや人々は、オルタナティブ・ファクトは事実ではないと批判した。発言の内容をめぐって、批判を受けたショーン・スペンサー大統領報道官は、その後、記者会見で「ネットなどで見た人を含めば最大だ」と釈明している。


<参考><引用>
「市場最大の就任式は「オルタナ・ファクト」トランプ大統領の顧問がキッパリ。え、何それ?」(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/24/alternative-fact_n_14353718.html

<参考>
「(Media Times)米政権からの「口撃」、報道苦心」(2017年2月11日朝日新聞朝刊)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12791762.html

*下線を引いている部分は、誤解を与える可能性があると考え、書き加えました。(2017年2月11日)