2018年2月11日日曜日

普段はビーチにないはずの米軍の落とし物は何処に?


 2月9日、沖縄タイムスの速報記事がTwitterでリツイートされてきた。オスプレイのエンジンカバーが沖縄県うるま市のビーチで発見されたというものだ。私は、その記事を読んで、またかと思った。リツイートした人々も私がその速報記事を読んで思ったように感じてリツイートしたに違いないだろう。

 沖縄タイムスの記事が配出されたのは、15時だった。私は、その記事が配出されてまもなくリツイートを見てことを知った。1540分頃から、仁尾淳史さんがツイキャスで現場に向かう自動車の車中からのライブ配信を始めた。私は、速報記事を読んで、気になっていたので、タイミングよく始まった仁尾淳史さんの取材の様子を中継するライブ配信を視聴している。
 仁尾淳史さんは、現場のうるま市伊計島の大泊ビーチ向かい取材をすることを目的として、配信をしている。

 仁尾淳史さんは、琉球新報の速報記事のことを話していた。琉球新報の記事が配出されたのも15時だった。


 先日(5日)は、佐賀県で自衛隊の戦闘ヘリコプター(AH64D)が点検飛行中に墜落して民家までを焼いてしまった事故が起きたばかりだ。この事件では、自衛隊のヘリコプターの乗組員が死亡し、民家をも焼いてしまったという痛ましい事件となっている。事故をおこした自衛隊機は、出力をメインローターに伝える部品を取り換えたばかりだったことが明らかになっている。(*¹)


 自衛隊機の事件があったこともあり、尚更、またかという気持ちになる。
私は、仁尾淳史さんと奈々さんが車中からカメラを向ける先を追っていた。ライブ配信を視聴する者達は、カメラが写し続ける道路の先のビーチに想いを馳せていたのであろう。目的地を目指す自動車は、まだか?まだか?とはやる気持ち運んで走ったに違いない。
 ライブ配信を視聴する者達は、目的地であるビーチとその先に拡がる海を探していたに違いない。そして、普段は、そのビーチにあるはずのない「物」の影を追っていた。視聴者は、取材に向かう二人と一体となって、「物」を確認しようとしていたのだ。
「物」は一体ビーチの何処にあるのだ。いや、あったのだ?速報記事に目を通し、カメラが写し出す道路の先を追いながら、速報記事の写真では判らない細部について、考えていたのだ。

 琉球新報の記事を見ると「午前9時ごろ、同島大泊ビーチの従業員が清掃中に、海岸に浮かんでいる部品を引き揚げた。」とある。
「物」は、波打ち際を漂っていたのだろうか。物は意外に大きなものだ。
「大きさは縦65センチ、横100センチ、幅70センチ。沖縄防衛局は発見者の情報として、部品の重さは約5キロだとした。」(琉球新報)
 後日、重量は違っていて、訂正が報じられている。「物」の重さは、約13kgだったようだ。朝、ビーチを清掃していた男性が「物」があるのを発見したから、事件は明るみに出れた。

 二人が乗る自動車は目的地に到着したようだ。
カメラが映し出す現場周辺は、事件がおきたのにも関わらず静かだった。
その静かさが、想像していなかったために奇異に感じられた。

 二人は、自動車を降りて、事件の現場を目指した。
二人は現場取材に取りかかっていた。周辺住民の話を聴いていた。先に来ていて取材している者もいた。二人はビーチに向かって歩いたようだ。カメラは砂浜を映している。
 砂浜には足跡があった。
「物」は、既に回収された後だったようだ。二人は取材を続けている。

 私は、二人の取材配信が終わった後、テレビをつけた。テレビでは、韓国で始まる冬季オリンピックの話題をやっていた。今日は、オリンピックの開会式がある。平和の祭典だ。
 いくらなんでも米軍はうっかりすぎるだろとテレビを少し観ながら思った。当然、怒っている人はいるだろう。大事に至らなくてよかった。


 「物」は、米軍普天間飛行場所属の米軍MV22オスプレイのエンジン空気入れ口だそうだ。
「在沖海兵隊は8日に海上飛行中、機体の一部を落下させたことを認めた。海兵隊は9日、防衛局からの問い合わせを受けて初めて機体の一部落下があったことを明らかにした。」(琉球新報)

 
 翌日10日の琉球新報と沖縄タイムスは、社説にこの事件について書いている。

 琉球新報は、度重なる米軍機のトラブルと事故、そしてその後の対応について厳しい論調で書いている。
 日本政府については、米国側と充分に交渉できていないと指摘している。
「これで主権国家と言えるだろうか。米軍が大規模に駐留するドイツやイタリアでは米国との協定で、受け入れ国側が米軍基地の管理権を確保し、その国の法律を米軍の活動に適用するなど、自国の主権を担保する仕組みがある。日本はなぜできないのか。政府は、県民の生命と財産を守るために、米国と主体的に交渉すべきだ。」(琉球新報)
 米軍に対しては、度重なることに手厳しい評価を下している。
「事故が起きるたびに県などの訓練中止要請などに米軍は耳を貸さず、事故を起こした同型機を含めた訓練を続け、事故を繰り返す。狭い沖縄の上空で訓練を続ける限り事故はなくならない。県民の安全を脅かす海兵隊は撤退するしかない。」(琉球新報)
 沖縄にはこういった感情はあるだろう。

 沖縄タイムスは、トラブル、事故の再発防止の観点から書いている。
「すべての航空機の飛行を全面的に停止し、機体を総点検すること、管理体制や整備体制など組織上の問題についても全面的に洗い直すこと。」(沖縄タイムス)
 度重なることの原因に関しては、米軍内に課題があるのではないかと書いている。
「重大事故を含む事故やトラブルが頻繁に繰り返されるのは、航空機の運用に関し、予算や人員、訓練頻度、機体老朽化などの面で深刻な問題を抱えているからではないのか。」(沖縄タイムス) 
 トラブルや事故が重なることについて、日本政府の対応についても厳しく言及している。
「政府がこれまでの「属国的対応」を改め、主権国家として米軍に強く当たらなければ事故を防ぐことはできない。」(沖縄タイムス)

 私は戦争などしてはならないという意見を持つ。戦争反対なのである。しかし、軍隊の相次ぐトラブル、事故は、軍隊としてどうなの?と正直思うわけで、やっぱり、問題ないわけないだろうと思うわけだ。






〈私のつぶやき〉
@kfrtofe:
「米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイのエンジンカバーがビーチで見つかったということですよね。何故なのか?ということですが。
仁尾さんが取材の様子をストリームミングでライブ配信していたのを視聴していました。仁尾さんが現場に着いた時には物は回収された後でした。」
「意外に大きいものですよね。
いくらなんでも米軍のものなら、米軍はうっかりすぎますよね。」

〈参考〉
仁尾淳史@atsushi_mic
https://twitter.com/atsushi_mic/status/961853989867286530



https://twitter.com/atsushi_mic/status/961905239392579584




「オスプレイの部品が落ちた - ATSUSHI THE MIC TV #439996318オスプレイの部品が落ちた - ATSUSHI THE MIC TV #439996318」(TwitCasting)


〈参考〉
「ビーチに米軍オスプレイの部品漂着か 沖縄県うるま市 」(沖縄タイムス)

「【速報】オスプレイのエンジンカバー落下 伊計島海岸で発見 米軍が認める」 ( 琉球新報)

「オスプレイ機体一部落下 伊計島海岸に13キロエンジン吸気口 米軍、8日発生も通報せず」(琉球新報) 

「重さ13キロ…部品は米軍オスプレイのもの 沖縄で8日に落下か」(沖縄タイムス)

「<社説>オスプレイ機体一部落下 全機種飛行停止求める」(琉球新報)

「社説[オスプレイ部品落下]普天間の運用停止急げ」(沖縄タイムス)





松本文明議員が、国会でした野次に批判が集まった。沖縄県での米軍機の相次ぐトラブルについて、「それで何人死んだんだ」といった。
(*2018年2月12日追記)
〈関連する私のつぶやき〉
@kfrtofe:
https://twitter.com/KfrTofe/status/957125850696114178
「国会での松本文明議員の野次は、内容が自分が何をいっているのかわかっていたのだろうか?思います。」
訂正〉
「国会での松本文明議員の野次は、自分が何をいっているのかわかっていたのだろうか?と思います。」
「一生懸命努力していても事故は起きてしまう。そういった事実がある。ゼロにはならないのかもしれません。しかし、だからといって事故をおこしていいわけではない。事故が起きて怪我する人や命を落とす人があってはならない。
こういった価値を社会は共有しています。」
「だから事故をおこしてもいいからで、ヘリコプターは飛んでないはずです。事故が起きないように点検や管理などをして、運用されています。市民だけではなく、米軍の兵士が事故で怪我をしたり、命を落としていいわけではない。そのために、米軍も努めているはずです。」
「訂正>
しかし、ここ最近、米軍のトラブルや事故が続いている。
ここで、松本議員の国会での野次があった。」
「松本議員の野次は、沖縄県民の感情を逆なでるだけではなく、人の命の重みを軽視する内容だった。」

*¹
 2月5日、佐賀県神埼市で、自衛隊のヘリコプターが墜落、炎上して、周辺民家を燃やしてしまった事件では、自衛隊機が事故をおこした原因に関して、自衛隊機は、50時間毎の定期検査に加え、メイン・ローター・ヘッドの交換をしていたことが報じられている。その後、メイン・ローター・ヘッドは、新品の部品ではなかったことが明らかになっている。
 2月8日統幕長定例記者会見の席で、交換したメイン・ローター・ヘッドは新品ではなかったと訂正されている。
 事故をおこした陸上自衛隊のヘリコプターの機体は、AH-64Dであった。当該事故機に取り付けられたメイン・ローター・ヘッドは、当初「新品」と説明されていたが、その後の調査で、「過去に他のAH-64Dの機体において使用されていた整備済みの部品」であることが判ったので訂正されている。
(*¹2018年2月19日追記)


〈参考〉
「陸上自衛隊のAH-64D墜落事故に係る公表内容の一部訂正について」(陸上自衛隊)

「墜落ヘリ、交換部品は中古=陸自が説明訂正、修理歴も」(時事通信)




(註)
2018年2月19日追記を加えました。誤字を直しました。