2017年5月17日水曜日

「日の丸」が踊っている

 IWJの岩上安身氏が小林よしのり氏にインタビューしている配信を視聴した。小林よりのり氏がインタビューの最後の方にいっていたことが心に留まった。私が、一体、どうしてしまったのだろうかと悩むことがある事件に呼応する言葉であった。

 最近、ネット上ですごく人目を引いたことで、私も注目したことがあった。神社本庁がつくったポスターに違和感を感じる人が多かったようで、そのポスターについてネットで多くの意見があった。そのことについては東京新聞やNHKでも記事にしている。私は、日の丸をみた時に以前は決して感じることはなかったような違和感をたまに感じることがある。私は、子供の頃に学校で「日の丸」を掲揚する時に違和感を感じることなく育った。ブラジルで開かれたリオデジャネイロオリンピックでは、テレビをみて日本代表選手を応援していた。その時、テレビの画面の中で「日の丸」をふる応援団が映されても、オリンピックだから違和感を感じることなくそのままテレビをみている。しかし、私も「日の丸」をみた時にたまに違和感を感じるようになっている。

 安倍総理はオリンピックの閉会式の式典に任天堂のゲームの人気キャラクターであるマリオに扮して登場した。オリンピックは聖火を灯すために、聖火ランナーがリレーをして運ぶが、安倍総理もリレーをつなぐ1人として、役を演じている。みんながボールをリレーをするというアイデアは、オリンピックという祭典がどのように行なわれてきて、今に至っているのかを象徴しているようだ。安倍総理が閉会式の式典にサプライズで登場したことにもたくさんの意見があった(私は記事にしている)。賛否の意見があった。


 小林よしのり氏は、「劣化保守」という批判を展開している。小林よしのり氏のいう「劣化保守」とは、知性の劣化した自称保守派をいう。私がインタビューの中で心を留めたことの1つは、岩上安身氏が小林よりのり氏に「劣化保守」批判についてきいた時に話したことである。森友学園騒動について、籠池泰典氏が園で行なっていたことは、教育や躾とは異なるものであるという批判がされてきたが、そこで「教育勅語」を園児に暗唱させていたことは、注目され報じられた。3月31日には、安倍内閣は、「教育勅語」を補助教材として使うことは否定されることではないとの答弁書を閣議決定をしている。このような保守における「教育勅語」とはどういったものであるのかを話している。小林よしのり氏は、岩上安身氏との会話のなかで、彼らにとって「これ、ゲームだから」、「これ、戦前ごっこだから」と説明している。岩上安身氏は、「なるほど」とうなづいている。私も「なるほど」と思ったのだ。



〈私のもとになったtweet〉
こういう批判はどういうことを言っているのかというと、日本人が、政府や日本の事情や自分に不安を感じていようと、多くの日本国民が拠り所としている国民であることに不安があるわけではないのに、押し売りのように日本人でよかったみたいなポスターって、なんか変でしょうという

訂正>
日の丸って、例えば、オリンピック、テレビで日本の代表選手が出場している競技を観戦している時、違和感を感じることは少ないのではないかと思います。それ以外にも私達の日常では、オリンピックの時のように日の丸はあります。

訂正>
それなのに、このポスターは、むしろ日常化した日の丸の外にあって、ここぞとばかりにあえて日の丸を登場させていることになるんですよね。

ポスターのモデル国籍が何処であるのか問う必要がないことは多い。しかし、「私 日本人でよかった。」というコピー(メッセージ)のボスターのモデルの国籍が何処なのかって問い沙汰されるなんて、本当に皮肉なことだなって思った。

日本人でよかったということも思うことも悪いことじゃないですよね。
ここでこれだけ言われる至った理由は、ごく自然にそう思う人がいる中で、このポスターを作った人々が、キャンペーンをすることに違和感を感じる国民が多かったということかもしれないですね。


〈記事〉
衆院で強行採決直前!? 「共謀罪」の成立で「物言う市民」が抑圧される社会に! 岩上安身による漫画家・小林よしのり氏インタビュー! (IWJ)

自称保守の知性劣化は底なしである(小林よしのり)

保守系論壇誌の劣化と混迷(小林よしのり)


『日本人でよかった』神社本庁のポスターのモデルは「中国人で間違いない」 カメラマンが断言 (HuffPost Japan)

日本人でよかった!? ポスターの“波紋” (NHKニュース) 

6年前の神社本庁のポスター ネットで波紋(2017年5月12日東京新聞朝刊)


〈twitterでよくリツイートされたポスターを写したtweet〉


〈ポスターへの意見〉
兵頭正俊‏ @hyodo_masatoshi
https://twitter.com/hyodo_masatoshi/status/858558705092091904
エリック ・C‏ @x__ok
https://twitter.com/quitamarco/status/858710695273271298
村上@岩国基地‏ @iwakunibase1

〈togetterまとめ〉
「私、日本人でよかった」のポスターが京都の街に貼られまくっている




2017年3月9日木曜日

「真相の解明を強く望む私の心の中で」 東京都議会百条委員会に石原慎太郎元都知事が証人として呼ばれることに際して

 東京都議会に設置された百条委員会では、証人として石原元都知事を呼ぶことを決めた。百条委員会で呼ばれる証人の中で、元都知事の職をしていたのは、石原元都知事だけである。石原氏が都知事に就任している時に築地から豊洲に市場を移転することが決まった。市場が築地から豊洲に移転が決まり、事業計画がつくられ、そして、新しい市場が建設された。この過程の中で、きちんとプロセスをふまえた上で、意志決定されたかどうかに疑念がある。どのようにして決められたのかについてはっきりしないことがある。豊洲市場がある場所は、以前は東京ガスの施設が操業していた。豊洲に市場が建設されるまでの過程の中で、東京都では3人が都知事の職に就いていた。小池都知事は、その3人の元都知事の後に就任した。その3人の都知事の1人であった石原さんが委員会に呼ばれ、証言を求められることになった。

 渦中の人の1人となっている石原元都知事には、弁明や釈明の機会が必要である。そして、真相の解明が強く求められている。

 3月3日に、石原元知事の要望により、日本記者クラブで、記者会見が行なわれている。
2日に、現職の知事である小池都知事は、3日に石原元知事が記者会見を開くことについて、「ご高齢ということもあり、ご自愛いただきたいと思う」と述べている。
 私には、高齢の両親がいるので、自分の両親のことを想うと、石原元都知事が議会や委員会に呼ばれて証言することに、「気の毒だな」と感じた。これが人情というものだろう。

一方で、この真相を解明するために都知事という要職についていた者の責を果たすことを強く望んでいることを意識する。

 3月2日、14時から定例の小池都知事の記者会見が行なわれた。その後、15時から、石原元都知事の記者会見が開かれた。

 石原元都知事は、記者会見の席で、しっかりとした口調で話す姿を見た。一方で、テレビを見ていた時に、自宅近くだろう歩く姿を見て、石原元知事の年齢を感じた。







〈参考〉
2017年3月3日「小池百合子東京都知事記者会見」(東京都)

2017年3月3日「石原慎太郎元東京都知事記者会見」(日本記者クラブ)

「豊洲問題 百条委員会 18日の証人に歴代市場長ら8人決定」(NHK)

「「ご高齢、ご自愛を」小池百合子知事、石原慎太郎氏に」(産經新聞)


〈関連する私のTweet〉
https://twitter.com/KfrTofe/status/837568375312175104

東京都は、豊洲に市場をつくる時に、土壌汚染対策として、盛り土をするとして、盛り土がされているように説明してきた。しかし、建屋の下には、盛り土はなく、地下空間・地下ピットがあった。豊洲市場が建設された後に、開場の延期をしたのは、東京都が説明してきたことと現実の市場に違いがあったことに端を発している。
https://twitter.com/vptdmre/status/807947477127073792



2017年2月9日木曜日

「ファクト」に対する「オルタナティブ・ファクト」に関するメモ

 アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領の就任式に集まった人々の数をめぐって、ドナルド・トランプ大統領とメディアの間で、本当はどのくらいの人々が集まったのかが、双方が事実であると主張することに食い違う事態が生じた。
 ドナルド・トランプ大統領は、メディアと戦争をしているという発言をしたが、就任直後から、ドナルド・トランプ大統領とメディアは、衝突したかたちとなった。
 どちらかがいっていることが正しければ、それが事実であり、もう一方は、事実とかけ離れたことを事実といっていることになる。

 メディアのいうことに対して、ドナルド・トランプ大統領のいうことが、ファクトに対するもう一つの事実であると主張したことで、オルタナティブ・ファクトという「もう一つの事実がある」という主張が生まれて注目されることになった。

 ショーン・スパイサー大統領報道官は、ドナルド・トランプ大統領の就任式に集まった人数が史上最大だったと発言した。ケリーアン・コンウェイ大統領顧問は、アメリカのNBCの番組で、ショーン・スパイサー大統領報道官の発言について、それをオルタナティブ・ファクト(Alternative facts)といった。*ショーン・スペイサー大統領報道官は、それが、オルタナティブ・ファクト(Alternative facts)、つまり、もう一つの事実といったのだことになる*。バラク・オバマ大統領の就任時と比べて、ドナルド・トランプ大統領の就任式に集まった人が少なかったと主張するメディアや人々は、オルタナティブ・ファクトは事実ではないと批判した。発言の内容をめぐって、批判を受けたショーン・スペンサー大統領報道官は、その後、記者会見で「ネットなどで見た人を含めば最大だ」と釈明している。


<参考><引用>
「市場最大の就任式は「オルタナ・ファクト」トランプ大統領の顧問がキッパリ。え、何それ?」(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/24/alternative-fact_n_14353718.html

<参考>
「(Media Times)米政権からの「口撃」、報道苦心」(2017年2月11日朝日新聞朝刊)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12791762.html

*下線を引いている部分は、誤解を与える可能性があると考え、書き加えました。(2017年2月11日)